ダイナミックオーシャンマネージメントは、混獲を減少させることができる
ダイナミックオーシャンマネージメント(以下DOM)は、自然の海や海の利用者にリアルタイムで反応して、変化をもたらしている。そして、漁師の費用負担なしで、漁獲対象の種ではない魚種を意図せずに捕獲してしまう混獲を減らすことが出来るということが分かった。
ダイナミックオーシャンマネージメント(以下DOM)は、自然の海や海の利用者にリアルタイムで反応して、変化をもたらしている。そして、漁師の費用負担なしで、漁獲対象の種ではない魚種を意図せずに捕獲してしまう混獲を減らすことが出来るということが分かった。
カナダ/ブリティッシュコロンビア州沿岸の先住民コミュニティーにおいて、気候変動の脅威による食料と経済保障について調査した新しい研究によると、2050年までに先住民漁業の漁獲量が50%近く減少するだろうということが分かった。
多くの研究により、気候変動による大規模な商業漁業への影響について調査されてはいるが、先住民コミュニティーに焦点を当てている研究は少ない。この研究によると、沿岸先住民コミュニティーは、2050年までに年間670万ドルから1200万ドルの損失を被る可能性があることが分かった。
カナダブリティッシュコロンビア州沿岸の先住民コミュニティーでは、2050年までに50%以上の漁獲量減少が見込まれるだろうという、ネレウスプログラムの研究がPLOS ONEに掲載され、地元や国際メディアから高い関心が寄せられた。
気候変動は、世界中の温度に影響しているだろう。しかし、すぐに明らかにならないだろうことは、気候変動が海の温度に影響を与えるだろうということだ。二酸化炭素排出量の相場がもし変わらなければ、平均海面温度は今世紀末までに2〜3.5度上昇することが予想されている。大したことのない温度差のように思われるが、多くの面で海に影響を与え、今日の海とは大分異なる様相となるだろう。
気候変動によって、多くの生態系に早い春が訪れる傾向にある。 レベッカ・アッシュ(ネレウスフェロー、プリンストン大学)は、11月13日にアメリカのウェルズリーカレッジ、生物化学学部において「気候変動と海の季節性:季節のサイクルの変化はどのように海の食物連鎖に影響を与えているのか」という題で講義を行った。
by Andrés M. Cisneros-Montemayor
自然、環境、保護についての指標となる本、A Sand County Almanacの中から、環境の変化に関する逸話を紹介しよう。
「私は、ガスという名の鳥猟犬を飼っていた。ガスはキジを見つけられないと、カオグロクイナ・レールやマキバドリを捕まえようと躍起になった。この不本意な代替物に対する情熱は、本物を見つけられなかった失敗を隠し、ガスの内面的な欲求不満を和らげた。」 – Aldo Leopold (1949)
コリーン・ペトリック(プリンストン大学、ネレウスシニアフェロー)は、ジェームズ・ワトソン(元ネレウスフェロー)との共同研究のために10月26日から30日までストックホルム大学のレジリアンスセンターを訪れた。ネレウスプログラムに参画している間に、ワトソン博士は、世界の魚類バイオマス分布のシミュレーションモデルを開発した。このモデルは、高い食生産と生育環境の方に向かって泳いでいく魚の能力が、魚の生物体量の空間分布、特に上位捕食者の分布に劇的に影響を与えていると論証した。
第4回 IMBER(海洋生物地球化学・生態系統合研究)の国際ワークショップIMBIZOが、2015年10月26日から30日にかけ、イタリアのトリエステにあるIstituto Nazionale di Oceanografia and Geofisica (OGS)において開催された。この会議には、世界中から科学者や研究者が集まり、どのように海洋の自然環境システムと人間社会の活動(特に漁業)の影響に関する知見を統合し、多重な地理的スケールを考慮し、環境影響ストレスを処理、分析するかを考察した。
ウィリアム・チュン(ネレウスプログラムディレクター/科学)とガブリエル・レイゴンドー(ネレウスフェロー/UBC)の共著、The Southern Oceanの一章が、Ocean and Climate Platform’s Scientific Notesに掲載された。 Ocean and Climate Platform(海洋と気候のプラットフォーム)とは、ユネスコの支持を受けるNGO団体と研究機関の連合体である。
11月20日から12月1日にかけ、195カ国以上から国のトップがパリに集い、地球の未来について議論する。では、海は、議題にあがるのだろうか。
COP(Conference of Parties=締約国会議) 21とは、気候変動枠組み条約第21回締約国会議である。コペンハーゲンで開催されたCOP15以来、最も重要な気候変動に関するイベントだとして謳われてきた。 そのCOP15では、コペンハーゲン合意(失敗だったという見方が大勢をしめる政治協定)が留意された。そこで、太田義孝博士(ネレウスプログラムディレクター/政策担当)とウィリアム・チュン博士(ネレウスプログラムディレクター/科学担当)が、これらの交渉は成功するか否か、世界の海の未来のために何が問題となっているのか、また、気候変動の影響を軽減するために何をすべきかを討議した。