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Archives for 12月 2016

12月 2016

パリ協定で掲げた気温上昇1.5度目標を達成すれば、年間600万トンの漁獲が可能となる

パリ協定で掲げた世界の気温上昇を1.5度以内に抑える目標を達成すれば、漁業に大きな利益がもたらされるだろう、という日本財団ネレウスプログラムの研究論文が学術誌Scienceに掲載された。地球温暖化が摂氏1度抑えられるにつれ、潜在漁獲量は年間300万トン以上増える可能性がある。

環境および社会経済的変化に伴うカナダの海や海洋漁業の将来を調査するためのシナリオ

Louise Teh(ブリティッシュコロンビア大学 Fisheries Economics Research Unit/リサーチアソシエイト)、William Cheung(ネレウスディレクター・科学)、Rashid Sumaila(OceanCanadaディレクター/ネレウスリサーチアソシエイト(名誉学位))が執筆した論文 “Scenarios for investigating the future of Canada’s oceans and marine fisheries under environmental and socioeconomic change“が、Regional Environmental Changeに掲載され、カナダでの海洋保全や漁業セクターでの既存のシナリオ分析方法(複数の潜在的な結果に基づいて将来の対応を準備する方法)を見直した。

ネレウス今週のニュースー12月9日

沿岸域先住民が同国の非先住民と比べて、一人当たり15倍以上の水産物を消費している、というネレウスプログラムの研究がPLOS ONEに掲載された。

また、この研究は “Indigenous peoples of the world’s coastlines are losing their fisheries — and their way of life“という記事で、ワシントンポストに掲載された。

地中海の生物地球化学の領域:客観的多次元および多変量環境アプローチ

Gabriel Reygondeau (ブリティッシュコロンビア大学/ネレウスフェロー)が筆頭著者として執筆した研究、“Biogeochemical regions of the Mediterranean Sea: an objective multidimensional and multivariate environmental approach” がOceanography に発表された。この論文では、地中海の生態系に生物地球化学/生体空間的枠組みをあてはめた。筆者らは、これまでの研究のほとんどが、海表面は異なる環境変数に作用されると仮定し、海表面の生態系を海底の生態系まで拡大することはできないと示唆している。そのため、この分析では垂直次元が重要であり、また小規模で深度によるゾーン分けの中での違いを考慮した保全管理の必要性を強調している。

沿岸域先住民による水産物消費に関するグローバルな傾向

先住民は、従来定量的研究に抵抗を示しており、特に先住民族のコミュニティに損害を与える差別的な社会経済的および政治的政策を課する定量的研究について強い嫌悪を感じている。しかし、世界中の沿岸域先住民による魚の消費量を具体的に定量化する世界のデータベースにアクセスを持つことで、多面で先住民族の闘争に重要な貢献をもたらすが考えられる。何より、食料としての魚の消費に関する情報の構築により、先住民族の食糧主権の重要な問題を示すことが可能となる。

世界の先住民漁業の重要性:先住民一人当たりの水産消費量は居住国の平均水産消費量の15倍に達する

沿岸に住む先住民の一人当たりの水産消費量が、居住国全体の平均水産消費量の15倍に達するという研究結果が、PLOS ONEに発表された(太田義孝、アンドレス・シスネロス)。これは世界で初めて、先住民漁業をグローバルな規模で定量的に分析した論文であり、日本財団ネレウスプログラムがオリジナルに作成したデータベースをその基盤としている。また、本研究は、漁業政策と社会的人権を一環として捉え、食糧(料)主権と文化アイデンティティが国際海洋政策において重視されるべきであることを提起している。