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ダイナミックオーシャンマネージメントは、混獲を減少させることができる

ダイナミックオーシャンマネージメント(以下DOM)は、自然の海や海の利用者にリアルタイムで反応して、変化をもたらしている。そして、漁師の費用負担なしで、漁獲対象の種ではない魚種を意図せずに捕獲してしまう混獲を減らすことが出来るということが分かった。

気候変動により、先住民漁業の漁獲量が半分減少する可能性

カナダ/ブリティッシュコロンビア州沿岸の先住民コミュニティーにおいて、気候変動の脅威による食料と経済保障について調査した新しい研究によると、2050年までに先住民漁業の漁獲量が50%近く減少するだろうということが分かった。

多くの研究により、気候変動による大規模な商業漁業への影響について調査されてはいるが、先住民コミュニティーに焦点を当てている研究は少ない。この研究によると、沿岸先住民コミュニティーは、2050年までに年間670万ドルから1200万ドルの損失を被る可能性があることが分かった。

COP21:すべての魚はどこにいってしまったのか。気候変動が どのように海洋種を移動させているのか。

気候変動は、世界中の温度に影響しているだろう。しかし、すぐに明らかにならないだろうことは、気候変動が海の温度に影響を与えるだろうということだ。二酸化炭素排出量の相場がもし変わらなければ、平均海面温度は今世紀末までに2〜3.5度上昇することが予想されている。大したことのない温度差のように思われるが、多くの面で海に影響を与え、今日の海とは大分異なる様相となるだろう。

我々は、気候変動に適応しようとしているのか、それともただ身を委ねようとしているのか?

by Andrés M. Cisneros-Montemayor

自然、環境、保護についての指標となる本、A Sand County Almanacの中から、環境の変化に関する逸話を紹介しよう。

「私は、ガスという名の鳥猟犬を飼っていた。ガスはキジを見つけられないと、カオグロクイナ・レールやマキバドリを捕まえようと躍起になった。この不本意な代替物に対する情熱は、本物を見つけられなかった失敗を隠し、ガスの内面的な欲求不満を和らげた。」 – Aldo Leopold (1949)

専門家に聞く:COP21と海、漁業、社会(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)

11月20日から12月1日にかけ、195カ国以上から国のトップがパリに集い、地球の未来について議論する。では、海は、議題にあがるのだろうか。

COP(Conference of Parties=締約国会議) 21とは、気候変動枠組み条約第21回締約国会議である。コペンハーゲンで開催されたCOP15以来、最も重要な気候変動に関するイベントだとして謳われてきた。 そのCOP15では、コペンハーゲン合意(失敗だったという見方が大勢をしめる政治協定)が留意された。そこで、太田義孝博士(ネレウスプログラムディレクター/政策担当)とウィリアム・チュン博士(ネレウスプログラムディレクター/科学担当)が、これらの交渉は成功するか否か、世界の海の未来のために何が問題となっているのか、また、気候変動の影響を軽減するために何をすべきかを討議した。

カナダ連邦政府の舵取りが自国の海を悪化させているとの研究報告

カナダは、これまでは海洋管理の世界的リーダーという立場にいたが、海洋政策を実施する際の連邦政府のリーダーシップの欠如、海洋科学分野への経費削減、政府関係の科学者が公にその研究結果を発表できる権限が限られていることにより、現在では海洋管理に失策した国へと転じてしまった。

専門家に聞く:TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は水産物の貿易にどんな影響を与えるのか?

10月5日、世界最大の自由貿易圏となる12カ国によるTPPが大筋合意に至った。日本、カナダ、アメリカ合衆国、ブルネイ、チリ、ニュージーランド、シンガポール、メキシコ、ベトナム、オーストラリア、ベルー、マレーシアの協定国を合わせると、世界経済の40%を占める。TPPは、魚介類への関税が排除されることによって、協定国間でこれまで以上に輸出入される可能性が出てきており、新しい環境基準や労働基準の導入が不可欠である。

ウィルフ・スワーツ博士(ネレウスプログラムマネージャー/リサーチアソシエイト)は、日本でのシーフードサプライチェーン管理や水産業の政策、また水産市場について研究している。ここでは、TPPが漁業や水産貿易にどのような影響を与えるかを考察する。

マダガスカルの先住民漁業ーMARE会議に出席して

漁業と食糧危機の問題に関して、何が問題なのかという問いに簡略な答えがよく見られます。人口増加や資源枯渇そして気候変動はすべてその問題の一部であり、これらが複雑に絡み合うことで、問題は表象することがわかってきました。特に、貧困や環境危機そして巨大資本の課題を考えたとき、問題は食糧危機ではなく、食糧の主権(Food Sovereignty) の問題となります。経済的に、そして政治的に脆弱な立場にいるがため、生産する人たちが 食べたい物を食べることができない、 そんな状況が世界で(そして日本でも)起きていることを私たちは認識すべきかもしれません。アフリカで最も貧しい国の若手研究者が私たちの先住民漁業研究をサポートしてくれています。今回は、彼女がアムステルダムの会議での発表に際して会場での質問等についてブログを書いてくれました。今回は、マダガスカルについて十分に語ってもらっていませんが、今後は、現場のより深刻な現実について私たちに教えてくれると思います。