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ネレウスブログ

気候変動による漁業燃料費上昇の可能性

燃料使用が気候変動に加担しているということは周知の事実だが、気候変動によって漁業における燃料使用量が増加する悪循環も考えられる。海洋温暖化のため、魚の分布が移動しているからである。この燃料使用量の増加と価格上昇により、小規模の零細漁業者は、気候変動下で生活を維持し、家族を養うのが厳しくなるだろう。

沿岸域先住民による水産物消費に関するグローバルな傾向

先住民は、従来定量的研究に抵抗を示しており、特に先住民族のコミュニティに損害を与える差別的な社会経済的および政治的政策を課する定量的研究について強い嫌悪を感じている。しかし、世界中の沿岸域先住民による魚の消費量を具体的に定量化する世界のデータベースにアクセスを持つことで、多面で先住民族の闘争に重要な貢献をもたらすが考えられる。何より、食料としての魚の消費に関する情報の構築により、先住民族の食糧主権の重要な問題を示すことが可能となる。

メキシコは、環境保護の予算削減や生態学的持続可能な人間開発を優先することを再考すべきである

By Andrés M. Cisneros-Montemayor

メキシコで、2017年の予算が発表された。予算の削減幅が大きい上位5項目の中に、環境保護(37%減)、文化(30%減)、教育(11%減)が含まれた。政治的美辞麗句はさておき、これらの削減は、この分野が小規模な長期的問題であり、重要性も迅速性もない問題と捉えられている事を反映している。環境、文化、教育を重要視する国際政策の認識の高まりに矛盾するだけでなく、一連の人間開発目標に互いに関わり合うため、このような考えは問題である。

ビッグデータと漁業管理:人工衛星を利用した漁業活動の追跡

「気候変動によって、海で最も影響を受けるのは、漁業だろう。しかし、地平線の彼方で何が起こっているのかを把握するには限界がある。見えないのだから。しかし、Global Fishing Watchの導入により、どこでどのくらいの漁業が行われているのかを把握することが可能となる。これは、いかに我々の海を管理していくのかという疑問に多くの解決策をもたらすだろう。」と、David Kroodsma(SkyTruth、Global Fishing Watchリサーチプログラムマネージャー)は話す。

急進的な未来の海のシナリオを推測するためのSFプロトタイピング

海は、急速に変化している。私たち次第で今後の未来の海が変わる、ちょうどその時に出くわしているのだ。

Andrew Merrie(ストックホルムレジリアンスセンター/ネレウス同窓生)は、このような未来の海は、異なるのではないのかということに関心を抱く。SFプロトタイピングと呼ばれる革新的方法を利用して、世界の海と漁業に関する4つの急進的未来を考案している。2つのシナリオは、より理想郷的未来を、残り2つはより暗黒郷的未来を描写している。それらは、異なる方法で、物語様式でスペキュレイティプ(思弁的)・フィクションとして書かれている。例えば、旅行雑誌記事、死亡記事、TEDのようなトークを文字におこしたもの、過去記事を再掲載したシリーズものなどである。

Our jelly-like relatives:サルパ類に関する誤認識

「エイリアン」「ゼリーボール」「海のくるみ」。これらは、Natasha Henschke(プリンストン大学/ネレウスフェロー)が発表した論文 “Rethinking the Roles of Salps in the Ocean”の中で言及しているように、メディアがサルパを説明する時に用いる呼び方である

海をイラスト化する:海洋生態系の複雑さを描くための過程

By Jenn Paul Glaser, Nereus Program Consulting Artist
このブログでは、日本財団ネレウスプログラムの美術コンサルタントとして携わった共同プロセスについて検証する。私は、我々が住む惑星の海洋と漁業の美しさと複雑さを讃える、17のイラストレーション製作を依頼された。最終的にこのアートワークシリーズは、ネレウスの指揮の下、スタッフ、ネレウス科学者の国際ネットワーク、経済学者、政策立案者が、18ヶ月間に渡り協力し、創作された。私は、世界中の6機関からの素晴らしい賢人たちと協力して取り組んだことを光栄に思う。私たちの目的は、最先端の研究を土台として、自然の概念を絵画的デジタルコラージュで産みだすことだった。作品の中には、少なくとも16の多様な海洋生態系の中で、合計約30種が描かれている。

南シナ海の不安定さ:生態系における課題と国際政治に関わる複雑な現状

近年、海の国際紛争における最も重要な課題であり、さらに論争が激しさを増す問題として、南シナ海での海洋領土を超える法的請求が挙げられる。 1982年制定の海洋法(UNCLOS)では、沿岸から海洋空間の200海里までの主権利と管轄権を付与する、排他的経済水域(EEZ)を請求する権利があるとしている。しかし、南シナ海では、海域内の南側に位置する小さな島や岩礁に対する一連の歴史的主張により、排他的経済水域の枠組みが複雑になっている。