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沿岸域先住民による水産物消費に関するグローバルな傾向

This post is in response to the study “A Global Estimate of Seafood Consumption by Coastal Indigenous Peoples“.

By Sherry M. Pictou, PhD. Candidate, Dalhousie University

先住民は、従来定量的研究に抵抗を示しており、特に先住民族のコミュニティに損害を与える差別的な社会経済的および政治的政策を課する定量的研究について強い嫌悪を感じている。しかし、世界中の沿岸域先住民による魚の消費量を具体的に定量化する世界のデータベースにアクセスを持つことで、多面で先住民族の闘争に重要な貢献をもたらすが考えられる。何より、食料としての魚の消費に関する情報の構築により、先住民族の食糧主権の重要な問題を示すことが可能となる。先住民たちの食糧源としての魚への依存は、水産資源の過剰搾取から、汚染、気候変動まで多様な脅威に直面している。先住民の食糧システムは、その対極にある商業アクセスと貿易の保護と管理に焦点を当てる国内政策やグローバル政策、あるいは従来の環境保全政策に大きく押しのけられているのだ。主流メディアは、先住民が開発または保全計画に反対していることに焦点を当てるが、あくまでも(食糧または文化社会の問題としてより)経済的または環境的問題としてこれらの反対運動を取り上げる。その上、国内外の食糧機関は、漁業活動、特に食糧源としての先住民の漁業活動を大抵の場合軽視している。

しかし、この画期的な研究は、国連人権問題、先住民の権利に関する世界宣言、食糧安全保障と貧困撲滅の中で持続可能な小規模漁業を確保するためのガイドライン、を含む多様な国際文書の文脈の中で先住民漁業問題に取り組むための政策に重要な情報をもたらし、その実施を促す可能性を持っている。なにより、魚の消費についての本研究により、沿岸域先住民コミュニティーのニーズと権利について、国際社会が今後より注目するだろう。この研究の唯一の欠点は、焦点が漁業という単一の食糧源に頂点を当てるため、陸と水の両方からの複数の資源に依存する先住民の(複雑な)食糧システムを明確にあらわしてない。しかし、政策と直接的なさらなる研究の情報をもたらすためのこの研究の可能性は過小評価されるべきではない。著者たちは、データや情報の欠如している場合に、消費量の推定する計算がどのように使用されたのか強調しているが、この研究は、様々なスケールでの先住民の食糧や生活様式に関するさらなる研究で生まれるこれらのギャップを埋める機会を提供している。今後より必要とされる研究には、先住民族自身の水/土地に基づく実践と先住民族の知識に根ざしたコミュニティベースの研究と政策開発が含まれる。先住民族の活動家/学者として、このデータベースは、先住民族の食糧や生活様式を守るための闘いにおいて、他の研究活動と戦略構築を支援するために大きな役割を果たすだろう。


sherry-pictouSherry M. Pictou, PhD. Candidate, Dalhousie University

Sherry M. Pictou(ダルハウジー大学、博士課程)
Sherry M. Pictou は、Bear River First Nationとして知られる L’sɨtkuk出身のMi’kmaw女性である。Sherryは、Mi’kmaqの人々のために、特に彼女自身のコミュニティーのために様々なボランティア活動や研究をしている。前首長を務めた彼女は、現在はダルハウジー大学で博士号取得を目指している。World Forum of Fisher Peoples Coordinating Committeeの共同議長を務めた後も、引続き活動している。彼女の研究は、食糧と生活のための地域および国際情勢闘争の中での協定実践として、実践に基づいた先住民の土地の再起と同盟国とのコミュニティー学習に焦点を置いている。

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