ギリシャ、アテネで第一回会議が開かれてから14年経った今年、5月23日から27日の5日間に渡り、韓国第二の都市釜山で第7回世界水産学会議が開催された。水産学会世界評議会によって主催され、釜山展示コンベンションセンター(BEXCO)を会場に行われた。498に及ぶプレゼンテーションは36のセッションに分けられ、会議の共通のテーマChallenge to Sustainable Fisheries and Safe Seafoods(持続可能な漁業と安全なシーフードへの挑戦)について議論された。
5月23日に、参加者らを歓迎する素晴らしい太鼓パフォーマンス、また今回のイベントの組織機関である釜山広域市、Korean Society of Fisheries and Aquatic Science、および海洋水産部の代表者からの歓迎の挨拶により、開会基調セッションが幕を開けた。ネレウスの研究者は、会議の早い段階から存在感を表した。オープニング基調講演をしたJihyun Lee (生物の多様性に関する条約の環境担当官)は、ネレウスシニアネレウスフェローDaniel Dunnの研究、そして世界の海洋全体の生態学的、また生物学的に重要な地域の保全を研究するデューク大学の研究室に関して言及した。
会議は、日本の水産科学研究所というような世界中の科学研究機関に属する有名な教授やメンバーによる非常に素晴らしい基調講演から始められた。
ネレウスプログラムからの参加者は、3つのセッション(セッション5、9、18)に参加し、そのうちの一つ、セッション9 、「気候変動下での未来の海洋漁業:不確実性、未来のシナリオ、様々な段階の変革経路についての調査」のホストを務めた。
ネレウスチームは、プログラムマネージャーと主任研究者だけでなく、5つの機関からのネレウスフェローと同窓生を含めた10人の研究者で構成された。彼らの発表の多様性と関連性を通じ、ネレウスの代表団は、ネレウスプログラムの分野横断の性質とネレウスの研究が、社会が今日直面している漁業関連の課題についてを人々に伝えていく役割を担っているのだということを再確認した。
ネレウスチームが主催した2日間のセッションでは、ネレウスの最新の研究に関して議論するため、海洋学、漁業科学、管理、経済、ガバナンスや法に関する研究分野における研究者と実務者を一緒に招いた。
- 気候変動と海洋酸性化の下での脆弱性、リスクと将来の漁業の不確実性を査定
- 漁業のためのシナリオ開発
- 気候変動下の海で持続的発展につながる可能性のある適応および/または変革経路の探索
第7回世界水産学会議は、世界の漁業の状態に関する基調講演で閉会した。次回、オーストラリアのアデレードで2020年に開催予定の第8回世界水産学会議では、私たちの共通の課題「持続可能な漁業と安全な水産物たのめの挑戦」への取り組みに役立つ最新の研究についての発表が行われる予定である。
グイレルモ・アルテューニョ・ クレスポ, MSC, ECOSYSTEM-BASED MANAGEMENT OF MARINE SYSTEMS
デューク大学
デューク大学Marine Geospatial Ecology Labの博士課程。セント・アンドルーズ大学でEcosystem-based Management of Marine Systemsの修士を取得。マグロの保護と管理および漁業管理への遺伝子ツールの利用の研究に焦点をあてている。ネレウスでの主要な研究目的は、空間生態学や移行性の高い保護、ストラドリング魚類( ある国の排他的経済水域とそれに接続する水域、例えば隣国の排他的経済水域又は公海。この双方にまたがって分布する魚類をいう)で、越境管理や特に国家管轄権を超えた海域管理についての基礎的な疑問提示を行う。