急進的な未来の海:SFプロトタイピングを使用したシナリオ構築
シナリオを構築することが、個人、コミュニティ、企業、国家が未来に対処する能力開発に一役買うかもしれない。シナリオは、積極的に思案し、来るべきものを予期し、行動するための重要なツールとなる。
シナリオを構築することが、個人、コミュニティ、企業、国家が未来に対処する能力開発に一役買うかもしれない。シナリオは、積極的に思案し、来るべきものを予期し、行動するための重要なツールとなる。
パリ協定で掲げた世界の気温上昇を1.5度以内に抑える目標を達成すれば、漁業に大きな利益がもたらされるだろう、という日本財団ネレウスプログラムの研究論文が学術誌Scienceに掲載された。地球温暖化が摂氏1度抑えられるにつれ、潜在漁獲量は年間300万トン以上増える可能性がある。
Louise Teh(ブリティッシュコロンビア大学 Fisheries Economics Research Unit/リサーチアソシエイト)、William Cheung(ネレウスディレクター・科学)、Rashid Sumaila(OceanCanadaディレクター/ネレウスリサーチアソシエイト(名誉学位))が執筆した論文 “Scenarios for investigating the future of Canada’s oceans and marine fisheries under environmental and socioeconomic change“が、Regional Environmental Changeに掲載され、カナダでの海洋保全や漁業セクターでの既存のシナリオ分析方法(複数の潜在的な結果に基づいて将来の対応を準備する方法)を見直した。
海は、急速に変化している。私たち次第で今後の未来の海が変わる、ちょうどその時に出くわしているのだ。
Andrew Merrie(ストックホルムレジリアンスセンター/ネレウス同窓生)は、このような未来の海は、異なるのではないのかということに関心を抱く。SFプロトタイピングと呼ばれる革新的方法を利用して、世界の海と漁業に関する4つの急進的未来を考案している。2つのシナリオは、より理想郷的未来を、残り2つはより暗黒郷的未来を描写している。それらは、異なる方法で、物語様式でスペキュレイティプ(思弁的)・フィクションとして書かれている。例えば、旅行雑誌記事、死亡記事、TEDのようなトークを文字におこしたもの、過去記事を再掲載したシリーズものなどである。
この政策概要は、国家管轄権を超えた海域(ABNJ)シリーズにおける、ネレウスプログラムの科学と技術の概要の一部である。この概要は、カナダ、ニューファンドランド島、セントジョーンズで2016年7月〜8月に開催された第4回国際海洋保全会議の前に開かれたワークショップにて作成され、8月26日〜9月9日に国連で開催された、国家管轄権を超えた生物多様性準備委員会の第2回会議ために準備されたものである。
ゴジラ。ブルースリー。今年のエルニーニョは史上最大規模の恐れがあるとして、エルニーニョに名付けられる名前がその予想される勢いを形容している。しかし、エルニーニョとは何なのか、海や漁業に何の影響があるのか。
ライアン・リカゼウスキー(南カリフォルニア大学助教授、元ネレウスプログラムフェロー)は、過去や将来の気候変動性や気候変動における生態系の反応と漁業生産についての研究を進めており、過去のエルニーニョの影響についての論文を発表している。ここでは、エルニーニョの基本や、次に来ると予想される。
私たちが魚を買う時に、「お、納得のいく値段だ」と感じる“適正価格”を市場が維持するためには、海からスーパーへとつながるサプライチェーン(流通システム)に見えない事情が隠されているのだ。一般消費者が追跡したり、目にすることができないサプライチェーン全体をふまえた上で値札がつけられているという裏があるのだ。そして、それは持続可能な慣行が存在するような錯覚を与えている。
先週、ネレウスプログラムは世界の海の未来についてのレポートを発表した。また、ウィリアム・チュン准教授(ネレウス共同統括)の異なる二酸化炭素排出量のもとで起こる未来の海への影響に関する論文が科学誌Scienceに掲載された。
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