リチャード・カデル博士(ネレウスシニアフェロー、ユトレヒト大学国際法)は、10月17日にアイスランド、レイキャビクの Harpa Centreで開催されたArctic Circle Conferenceで論文を発表した。Arctic Circle Conferenceは、各国首脳、上級外交官や学識者による一連のプレゼンテーションが特徴となり、北極圏の学問や外交における主要イベントとして一躍その名を広めている。
カデルのプレゼンテーションでは、NAMMCO(北大西洋海産哺乳動物委員会)の活動を法律の観点から調査し、NAMMCOが1982年の海洋法に関する国際連合条約の65条の目的として実行可能な「適切な組織」と考えられるかどうかを考察した。またカデルは、これまでにNAMMCO があげた成果を考察し、極北で海洋哺乳動物の保護に取り組むこの組織が直面する運営上または法律上の課題を評価した。活動を通して政治論争や国際的な訴訟に発展する事がやまないという問題も抱えているのである。