リチャード・カデル博士(オランダ・ユトレヒト大学/シニアネレウスフェロー)の論文 Platforms, Protestors and Provisional Measures: The Arctic Sunrise Dispute and Environmental Activism at Sea” (PDF)が、Netherlands Yearbook of International Law 2014に掲載された。
要旨:
2013年9月18日、グリーンピース活動家チームが、ロシアの排他的経済水域内に位置するプリラズロムノエの海底油田掘削用プラットフォームに乗り込もうとした。掘削活動の妨害をしたり、北極環境問題を掲げ訴えようとした。その後、オランダ船籍アークティック・サンライズ号も含め、抗議に参加した30人が逮捕された。「Arctic 30」と呼ばれた拘束者たちは、2013年12月にロシアの 大赦によって解放されるまで、世界的な見出しを賑わせた。その間、オランダはロシアに対し 曳航 された船の仲裁訴訟を進めた。執筆中の現在未だ判決は出ていない。しかしながら、2013年11月、国際海洋法裁判所は暫定措置として、船舶の解放と乗組員の保釈金を条件とするオランダの嘆願書を支持した。 その際 、裁判所は、被上訴国が出廷しないという事態に初めて直面し、同時に迅速な釈放に向けての「裏口的手法」に進展をもたらした。その間に、海の環境アクティビズムの合法性の面がいくぶん不明瞭になり、またオランダにはかなりの数の抗議 船 が登録されたので、将来的に衝突があった場合、訴訟に発展することがあるかもしれない。