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西アフリカの漁業、気候変動、養殖:世界銀行と西アフリカ地域漁業委員会ワークショップ

西アフリカは、気候変動に最も脆弱な地域となる可能性がある。この地域では、生計をたてたり、重要な食糧源を確保するために漁業に依存するところが大きい。現在、西アフリカの海洋資源は、乱獲や気候変動(気候変動に起因する海の温暖化により、その海域の魚資源がより冷たい海へ移動する)に脅かされている。ネレウスプログラムの研究によると、二酸化炭素排出量が現在のレベルで推移する場合、この地域では漁業関連の雇用は50%減少し、年間総損失は3億1,100万ドルになると見込まれている。

海の熱波ースイス連邦工科大学チューリッヒ校ブログ記事

熱波は、陸地だけでなく海でも起こっており、とりわけ北東太平洋では「The Blob」と呼ばれたり、2010年と2011年にはオーストラリアの西海岸で短期間の熱波が発生している。Thomas Frölicher (ネレウス同窓生)は、Zukunftsblog(持続可能性に関する事実と見解)内の記事 “Heatwaves in the ocean – a risk to ecosystems?”(海の熱波ー生態系へのリスク)で、これらの「海の2つの例外的な熱波」について概要を述べている。彼は、これらの熱波が海洋生物種や生態系に与える影響について説明している。

生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)報告書

生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(以下IPBES)は、Methodological Assessment of Scenarios and Models of Biodiversity and Ecosystem Services(生物多様性と生態系サービスのシナリオとモデルの方法論的アセスメント)を発表し、William Cheung (ネレウスディレクター・科学)は、統括執筆者を務め、また第5章「自然の恩恵を人間が受けるために生物多様性における変化の影響に関するモデル分析」を共著した。この章では、IPBES アセスメントやその他利用者のための生態系サービスモデルやモデリングアプローチの近年の状態を説明し、政策や意思決定の文脈中で生態系サービスのモデリングへの異なるアプローチ法の利点と弱点を説明した。

持続可能な水産養殖のための重要な5つの側面とは:養殖は世界の食料安全保障の一助となるか?特にアフリカではどうか?

水生種の養殖が、世界の食糧安全保障の課題を解決する重要な側面を担い始めている。漁業による水産物の供給は減ってきている。私たちが漁業による圧迫を減らすことこそが、魚資源を増やすことにつながる。しかし依然として、政府は、さらに魚が獲れるように水産業に助成金を支給し続けている。したがって、私たちの新たな方策として期待されるのが養殖である。我々は、動物性タンパク質の生産法を狩猟から畜産に変化させた。同様に、海では漁から養殖に変更する必要があるのではないか?これが私の議論である。養殖は、世界の人口増加に対応すべく、水産物供給をさらに促すための最良の選択肢なのだろうか。 養殖は、 8.8%ほどの平均増加率で、世界で最も成長している農漁業食品分野であることが明らかである。しかし、生態系への強い依存、設備からの環境への影響、あいまいな「養殖の持続可能性」の定義などから、養殖産業には悪いイメージがつきまとっている。

コガシラネズミイルカが絶滅危惧種になったのは漁業の問題だけではなく、社会的、生態学的問題でもある

気候変動の記事が新聞の一面を飾ったり、1頭のライオンが殺された、という投稿がFacebookで一気に何千もの人々に拡散されるエコフレンドリーな世の中であるのに、絶滅の危機に瀕しているネズミイルカの存在すら知られていないということがなぜ起こるのだろうか。

コガシラネズミイルカは、1996年には600頭が確認されているが、2016年には60頭に激減しており、異常な速さで絶滅の危機に直面しているという事実が、今月初めにMexico’s Minister of the Environment and Natural Resources で報告された。最大でも1.5メートルにしかならない世界最小の海洋哺乳類だ。黒い目や、死後でさえも笑ったように見える丸い口を持ち、十分に可愛らしい要素を持ち合わせている。

専門家に聞く:世界の水産補助金(350億ドル)について

Rashid Sumaila (OceanCanada リサーチディレクター)とUBC Global Fisheries Cluster (Sea Around Us とネレウスプログラム) の共同研究「an updated estimate of global fisheries subsidies」が、学術誌Marine Policyに掲載された。この研究は、世界の水産業は年間350億ドルの政府からの補助金により支えられており、この補助金の大部分(年間200億ドル)が、乱獲等に繋がる漁獲能力拡大の助長に充てられている可能性があると指摘している。

助成金をもらうことは服従を意味するのか?文化助成金と生態学的に持続可能な発展

By Lisa Maria Dellmuth, Senior Nereus Fellow

欧米の民主社会では、公共基準で芸術や文化財を供給するのが一般的である。この慣習により、多くの政治家たちが、芸術や文化を環境保護の基準を押し上げる政治的道具としてみなすようになっている。典型的な例として、芸術や文化に政府が関与していることにより、文化活動を行う際に生態学的に持続可能な開発に関して支持、主張すべきだと暗に要求されているのかどうかについてヨーロッパで現在討論されていることがあげられる。

ネレウスプログラムレポート: 海の未来を予測する: 気候変動、 海、 魚資源

日本財団(The Nippon Foundation – NF)は、ブリティッシュコロンビア大学(University of British Columbia – UBC)と9年間、15億円規模で共同プログラム「NF-UBC ネレウス–未来の海を考える」をしている。このプログラムは、グローバルスケールで魚の資源と海の未来を予測し、その問題解決に寄与することを目的とした世界で唯一の総合的な海洋プログラム である。