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Archives for 10月 2016

10月 2016

ネレウス今週のニュース

Andrew Merrie(ストックホルムレジリアンスセンター/ネレウスフェロー)が、ネレウスフェローシッププログラムの一部として、世界の海と漁業に関する急進的未来のSF作品を4つ創作した。また、これらの物語に加えたSimon Stålenhag 作のイラストがWired に掲載された。

メキシコは、環境保護の予算削減や生態学的持続可能な人間開発を優先することを再考すべきである

By Andrés M. Cisneros-Montemayor

メキシコで、2017年の予算が発表された。予算の削減幅が大きい上位5項目の中に、環境保護(37%減)、文化(30%減)、教育(11%減)が含まれた。政治的美辞麗句はさておき、これらの削減は、この分野が小規模な長期的問題であり、重要性も迅速性もない問題と捉えられている事を反映している。環境、文化、教育を重要視する国際政策の認識の高まりに矛盾するだけでなく、一連の人間開発目標に互いに関わり合うため、このような考えは問題である。

保全の事例研究:エストニアの自然保護

Richard Caddell(ユトレヒト大学/ネレウスフェロー)が先日発表した “Wilderness protection in Estonia“では、ヨーロッパ原生自然管理のケーススタディとして、エストニアの事例を用いた。 Caddellは、「エストニアで素晴らしい自然保護がなされていることは、あまり知られていない。エストニアでは、13世紀から人がほとんど立ち入らない自然保護区を設けており、EUの中でもこの分野に関して厳しい法規制を敷いている国である。エストニアの島々や沿岸の大部分の保全状態が良く、比較的手つかずの状態であり、さらに責任を持って運営されるエコツーリズム産業がある。

第7回オスロ・サウサンプトン・チュレーン年次会議

Richard Caddell (ユトレヒト大学/ネレウスフェロー)が、10月13日に開催されたオスロ、サウサンプトン、チュレーン年次会議に出席し、自身の論文 “Pirates and Platforms: Maritime Disorder and the Arctic Sunrise Arbitration”を発表した。この学会は、世界的に海事法分野を牽引する、オスロ大学、サウサンプトン大学、チュレーン大学の法科大学院が開催する年次イベントである。y.

NGOとグローバル海洋ガバナンスの連携を理解する:Lisa Dellmuth、フェローシップを終了

Dellmuthは、マンハイム大学で政治学の博士号を取得した。フェローシップとして進めた彼女の研究は、いつ、どのように、なぜ権利擁護団体が集結し、グローバル海洋ガバナンスに影響を与えるのかに焦点を当てた。また、権利擁護団体、国内政治、グローバル海洋ガバナンスにおける国際政府組織間の連携についての理解を深めるために政治学と経済学のツールを使用した。

ビッグデータと漁業管理:人工衛星を利用した漁業活動の追跡

「気候変動によって、海で最も影響を受けるのは、漁業だろう。しかし、地平線の彼方で何が起こっているのかを把握するには限界がある。見えないのだから。しかし、Global Fishing Watchの導入により、どこでどのくらいの漁業が行われているのかを把握することが可能となる。これは、いかに我々の海を管理していくのかという疑問に多くの解決策をもたらすだろう。」と、David Kroodsma(SkyTruth、Global Fishing Watchリサーチプログラムマネージャー)は話す。

急進的な未来の海のシナリオを推測するためのSFプロトタイピング

海は、急速に変化している。私たち次第で今後の未来の海が変わる、ちょうどその時に出くわしているのだ。

Andrew Merrie(ストックホルムレジリアンスセンター/ネレウス同窓生)は、このような未来の海は、異なるのではないのかということに関心を抱く。SFプロトタイピングと呼ばれる革新的方法を利用して、世界の海と漁業に関する4つの急進的未来を考案している。2つのシナリオは、より理想郷的未来を、残り2つはより暗黒郷的未来を描写している。それらは、異なる方法で、物語様式でスペキュレイティプ(思弁的)・フィクションとして書かれている。例えば、旅行雑誌記事、死亡記事、TEDのようなトークを文字におこしたもの、過去記事を再掲載したシリーズものなどである。

英国生態学会の水生マクロエコロジー会議

2016年9月30日にロンドンで開催された英国生態学会の水生マクロエコロジー会議にて、William Cheung (ネレウスディレクター・科学)が、「気候変動下での今後の海洋生態系を予想するためにマクロエコロジーを適用する」という題目で基調講演を行った。

Our jelly-like relatives:サルパ類に関する誤認識

「エイリアン」「ゼリーボール」「海のくるみ」。これらは、Natasha Henschke(プリンストン大学/ネレウスフェロー)が発表した論文 “Rethinking the Roles of Salps in the Ocean”の中で言及しているように、メディアがサルパを説明する時に用いる呼び方である