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ビッグデータと漁業管理:人工衛星を利用した漁業活動の追跡

「気候変動によって、海で最も影響を受けるのは、漁業だろう。しかし、地平線の彼方で何が起こっているのかを把握するには限界がある。見えないのだから。しかし、Global Fishing Watchの導入により、どこでどのくらいの漁業が行われているのかを把握することが可能となる。これは、いかに我々の海を管理していくのかという疑問に多くの解決策をもたらすだろう。」と、David Kroodsma(SkyTruth、Global Fishing Watchリサーチプログラムマネージャー)は話す。

海洋問題における分野横断的解決策:ネレウスプログラム年次総会

今日、そして未来に、海や漁業が直面する多くの問題を解決することは困難である。

例えば、ある一種類の魚を例にとってみても、その種の個体数、その種が生態系にどのように寄与しているのか(何を食べて、何に食べられるのか)、気候変動の影響をその生態系がいかに受けるのかを考察することが重要だ。それだけではなく、その魚を重要な食料源とし、生計を立てる源としている人々がいるか。法律によって誰がその魚の漁を許可され、またその法律は公平なのか。そしてその魚は、伝統的に、霊的に先住民の人々にとって重要であるのか。その魚は観光業のために重要なサンゴ礁に住んでいるのか。この質問は一見終わりがなく、パズルの各ピースに関するハイレベルな知識なくして回答することはできない。

ウィリアム・チュンの気候変動による魚の回遊 に関する論文がScienceに掲載

研究者が集まる国際チームが、二通りの気候変動のシナリオから予想される未来の海を比較した。一方のシナリオは、2100年までの気温の上昇を2℃以内に抑えるというコペンハーゲン合意によるもの。もう一方は、これまでのアプローチ通り気温が5℃上昇するというもの。研究者は、もしこのまま温暖化が抑制されなければ、気温の上昇を抑制したシナリオより 65%早い 段階で、魚は現在の生息域から移動してしまう、つまり生物多様性や生態系の機能に変化をきたす結果となる、と述べている

ネレウスプログラムレポート: 海の未来を予測する: 気候変動、 海、 魚資源

日本財団(The Nippon Foundation – NF)は、ブリティッシュコロンビア大学(University of British Columbia – UBC)と9年間、15億円規模で共同プログラム「NF-UBC ネレウス–未来の海を考える」をしている。このプログラムは、グローバルスケールで魚の資源と海の未来を予測し、その問題解決に寄与することを目的とした世界で唯一の総合的な海洋プログラム である。