気候変動による漁業と農業生産の減少に直面する開発途上国
気候変動の抑制が効かなければ、開発途上国では、農業生産と漁業生産の減少に直面する可能性があることがNature Ecology & Evolutionに掲載された新しい研究でわかった。
気候変動の抑制が効かなければ、開発途上国では、農業生産と漁業生産の減少に直面する可能性があることがNature Ecology & Evolutionに掲載された新しい研究でわかった。
気候変動が現在の速度で進んだ場合、世界の漁業は2050年までに、およそ年間100億ドルの損失を被る可能性がある。それにより、漁業を食料源や生活収入の糧としている国々では、さらなる影響を受けるだろうことを指摘した日本財団ネレウスプログラムの研究論文がScientific Reportsに発表された。
ハーバード大学のクリス・ゴールデン博士が筆頭著者であり、William Cheung(ネレウスディレクター・科学)が共著であるNature誌の論評は、漁獲量の減少により、世界の人口の10%以上が今後10年で栄養欠乏症に直面する可能性があることを指摘している。
Rashid Sumaila (OceanCanada リサーチディレクター)とUBC Global Fisheries Cluster (Sea Around Us とネレウスプログラム) の共同研究「an updated estimate of global fisheries subsidies」が、学術誌Marine Policyに掲載された。この研究は、世界の水産業は年間350億ドルの政府からの補助金により支えられており、この補助金の大部分(年間200億ドル)が、乱獲等に繋がる漁獲能力拡大の助長に充てられている可能性があると指摘している。