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Our jelly-like relatives:サルパ類に関する誤認識

「エイリアン」「ゼリーボール」「海のくるみ」。これらは、Natasha Henschke(プリンストン大学/ネレウスフェロー)が発表した論文 “Rethinking the Roles of Salps in the Ocean”の中で言及しているように、メディアがサルパを説明する時に用いる呼び方である

「サルパ類は、樽型ゼラチン質動物プランクトンであり、クラゲのように見えるが、クラゲのような触手はもたない。幼生は、人間の背骨によく似た薄い脊索を持ち、我々に一番身近な無脊椎動物の親類と言われる。サルパとクラゲは、8億年前に分岐した異なる祖先を持つ。この2つは、非常に似ているが、全く異なる進化を遂げて来た種である。」とHenschkeは説明する。

サルパはクラゲとは異なり、脳、心臓、および腸、また複雑な神経系と消化器系を持ち合わせる。サルパは、体で水を吸引し、体内の編目を通して餌を摂取する。それに対して、クラゲは触手で泳ぎ餌を獲る。これらのゼリー状の塊は、単に先祖的に人間に類似しているだけでない。再生するために解体されるクローンの大きな鎖を形成し、さらなる鎖を作り出す。そう、サルパはまるでエイリアンのようなのだ。

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海で増加している生き物として、白クラゲの研究には関心が高まっている。Henschkeの論文では、サルパは誤認識されたままであり、研究が進んでいないと特筆している。この論文では、サルパについてよく見られる誤認識についての再検討を行っている。誤認の中には、サルパはクラゲであるというものや、サルパは珍しい生き物というようなことが含まれる。

「45種のサルパが生息する。南極海では非常に密集したサルパが観測され、北極圏を除いた全ての海に生息している。」とHenschkeは話す。

サルパは、壊れやすく容易に網で損傷を受けやすいため数えにくい。しかし、サルパは群れの中で、立方メートルあたり5000以上の個体数で、10万平方キロメーターに及ぶ領域をカバーする。

サルパは、他種の餌としてのカロリー値がほとんどない「栄養の行き止まり」とも考えられていた。

"Salps" by Henry Jager, CC BY-NC-ND 2.0.

サルパの鎖. Image: “Salps” by Henry Jager, CC BY-NC-ND 2.0.

「サルパは、これまで考えられていたよりも栄養価が高い。魚、亀、鳥、貝が餌としている。私たちは、202種の内臓の中にサルパを発見し、サルパを餌としたようだと確認した。サルパは非常に早く壊れるため、他にもサルパを餌としている種がいるかを確認することが困難なのだ。」とHenschkeは話す。

サルパは、海洋酸素フラックスにも一役買っており、生物地球化学的循環にも重要な役割を担っていることも考えられる。彼らの糞石や死骸が海底に沈むと食料源となるわけだ。

一般的に、乱獲と気候変動がクラゲの大量発生を招いたと考えられている。しかし、Henschkeは、どのようにサルパへの影響があるのか、その可能性について考えるよう研究者たちに促している。

「今後の研究では、気候変動からサルパがどのような恩恵を受けているのか、もしくは変化している海の状況がサルパにとって好条件になっている可能性をふまえ、分布図に変化が見られるかどうかを研究する必要がある。」とHenschkeは締めくくった。

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