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政策概要:データの公開

この政策概要は、国家管轄権を超えた海域(ABNJ)シリーズにおける、ネレウスプログラムの科学と技術の概要の一部である。この概要は、カナダ、ニューファンドランド島、セントジョーンズで2016年7月〜8月に開催された第4回国際海洋保全会議の前に開かれたワークショップにて作成され、8月26日〜9月9日に国連で開催された、国家管轄権を超えた生物多様性準備委員会の第2回会議ために準備されたものである。

北大西洋における季節的な植物プランクトンの増殖は、カイアシ類の越冬方法に関係していた

Rebecca Asch (ネレウスフェロー/プリンストン大学)が共著した論文“Seasonal phytoplankton blooms in the North Atlantic linked to the overwintering strategies of copepods,” が、 Elementa: Science of the Anthropoceneに掲載された。この論文では、北大西洋での植物プランクトンの増殖がいつ、どのくらいの期間で起こるのかを観察した。著者達は、スプリングブルーム(春季大繁殖)開始日と増殖期間について、早期に増殖した場合は繁殖が長期に渡るという相関性を発見した。

世界の生物多様性保全条約間での相互影響

Richard Caddell(ユトレヒト大学/ネレウスフェロー)は、2016年6月に出版された Research Handbook on Biodiversity and Lawの一章に“‘Only connect’? Regime interaction and global biodiversity conservation” を寄稿した。この章は、生物多様性を取り扱ういくつかの異なる国際条約、特定種や生態系の保全を扱う国際合意を考察したものである。

ネレウスプログラムにおける気候変動による影響の予測モデルの不確実性に関する研究

気候変動は、海、また海に生息する生物種、海産物を食し生計を立てている人々に多大な影響を与えると予想されている。20世紀の初頭から、人間活動による二酸化炭素排出量により、海洋の物理的性質や科学的性質は変化してきている。海が温まり、酸素含有量が減っている地域も確認され、海洋種の生産性や分布に変化が起こっている。

COP21:すべての魚はどこにいってしまったのか。気候変動が どのように海洋種を移動させているのか。

気候変動は、世界中の温度に影響しているだろう。しかし、すぐに明らかにならないだろうことは、気候変動が海の温度に影響を与えるだろうということだ。二酸化炭素排出量の相場がもし変わらなければ、平均海面温度は今世紀末までに2〜3.5度上昇することが予想されている。大したことのない温度差のように思われるが、多くの面で海に影響を与え、今日の海とは大分異なる様相となるだろう。

我々は、気候変動に適応しようとしているのか、それともただ身を委ねようとしているのか?

by Andrés M. Cisneros-Montemayor

自然、環境、保護についての指標となる本、A Sand County Almanacの中から、環境の変化に関する逸話を紹介しよう。

「私は、ガスという名の鳥猟犬を飼っていた。ガスはキジを見つけられないと、カオグロクイナ・レールやマキバドリを捕まえようと躍起になった。この不本意な代替物に対する情熱は、本物を見つけられなかった失敗を隠し、ガスの内面的な欲求不満を和らげた。」 – Aldo Leopold (1949)

William Cheung とGabriel Reygondeau、 Ocean and Climate Platform’s Scientific Notesに The Southern Oceanが掲載される

ウィリアム・チュン(ネレウスプログラムディレクター/科学)とガブリエル・レイゴンドー(ネレウスフェロー/UBC)の共著、The Southern Oceanの一章が、Ocean and Climate Platform’s Scientific Notesに掲載された。 Ocean and Climate Platform(海洋と気候のプラットフォーム)とは、ユネスコの支持を受けるNGO団体と研究機関の連合体である。

専門家に聞く:COP21と海、漁業、社会(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)

11月20日から12月1日にかけ、195カ国以上から国のトップがパリに集い、地球の未来について議論する。では、海は、議題にあがるのだろうか。

COP(Conference of Parties=締約国会議) 21とは、気候変動枠組み条約第21回締約国会議である。コペンハーゲンで開催されたCOP15以来、最も重要な気候変動に関するイベントだとして謳われてきた。 そのCOP15では、コペンハーゲン合意(失敗だったという見方が大勢をしめる政治協定)が留意された。そこで、太田義孝博士(ネレウスプログラムディレクター/政策担当)とウィリアム・チュン博士(ネレウスプログラムディレクター/科学担当)が、これらの交渉は成功するか否か、世界の海の未来のために何が問題となっているのか、また、気候変動の影響を軽減するために何をすべきかを討議した。