太平洋クロマグロは海を渡って移動する
太平洋クロマグロは危機にある。初期の資源量と比べ、2.6%まで資源が減少している。クロマグロは乱獲され、その資源減少は止まる所を知らない。この悲惨な状況を改善するために、その魚資源の適切な管理がますます重要になっているのだが、そのために必要な魚の生態や移動パターンの情報が限られているのが実情だ。
太平洋クロマグロは危機にある。初期の資源量と比べ、2.6%まで資源が減少している。クロマグロは乱獲され、その資源減少は止まる所を知らない。この悲惨な状況を改善するために、その魚資源の適切な管理がますます重要になっているのだが、そのために必要な魚の生態や移動パターンの情報が限られているのが実情だ。
マグロの水産資源が危機的な状況にあるという見出しを目にしたことがあるだろう。“Bleak outlook for sushi favourite as bluefin tuna levels drop 97 per cent(クロマグロの水準が97%低下し、寿司好きにとっては暗い見通し)” という記事がTelegraphに掲載された。CBS Newsでは、 “Sushi eaters pushing Pacific bluefin tuna to brink of extinction(寿司を食す人々が太平洋クロマグロを絶滅の危機に追い込む)”と報じた。
Andre Boustany (デューク大学/ネレウス同窓生/リサーチフェロー)が、7月13日から18日にかけて札幌で開催された北太平洋マグロ類国際科学委員会(ISC)年次総会に出席した。
魚に国境は関係ない。1982年に制定された国連海洋法条約により、沿岸国は、200海里水域まで伸びるエリア、排他的経済水域(EEZ)内で、漁業を管理する権利を獲得した。しかしながら、無論、魚は海の中に引かれた架空の線に固着することはない。
ネレウス同窓生(デューク大学)であるオンドレ・ブスタニー博士は、3月に開催された大西洋マグロ類保存委員会アメリカセクションのアドバイザリー会議(ICCAT Advisory Committee Meeting)、また大西洋高度回遊魚漁業管理アドバイザリー会議 (Highly Migratory Species Advisory Panel Meeting) に出席した。
Andre Boustany(デューク大学/ネレウス同窓生)とPatrick Halpin (デューク大学/研究責任者)による研究 “Tuna and swordfish catch in the U.S. northwest Atlantic longline fishery in relation to mesoscale eddies”が、Fisheries Oceanographyに掲載された。この研究では、海流の種類の一つである中規模渦、海面温度、漁に使用された道具など、異なる条件下での影響を考察した。
1月18日から20日にかけての3日間、世界の海に生息する3種のクロマグロの保護と管理に関して第一線で活躍する専門家たちが、カリフォルニア州モントレーに100人以上集まり、Bluefin Futures Symposiumに参加した。科学、政策の分野、また企業からの研究者、そして保全リーダーたちが初めて国際的に集結し、現在の資源状況、研究の成果、管理体制の曖昧さというような、これら海の捕食者を漁獲するために、未来の持続可能性を保証する鍵を握るテーマについて議論した。
ダイナミックオーシャンマネージメント(以下DOM)は、自然の海や海の利用者にリアルタイムで反応して、変化をもたらしている。そして、漁師の費用負担なしで、漁獲対象の種ではない魚種を意図せずに捕獲してしまう混獲を減らすことが出来るということが分かった。