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国連海洋会議事前会合でのサイドイベント

2月15日と16日、国連総会は6月に開催される国連海洋会議のための事前会合をニューヨークで開催した。この会議の目的は、持続可能な開発目標(以下SDG)14:持続可能な開発のために海洋、海洋資源の保全と持続可能な利用、の実施を支援することである。

2月16日、ネレウスプログラムは、“Co-Benefits of Achieving SDG Goal 14 to Wider SDGs: Prioritizing Action Given Climate Change and Social Inequity” というサイドイベントを開催した。このイベントでは、他の環境、経済、社会的な公平性の目標に関する海洋目標を達成することのコーベネフィット(共有利益)に重点を置きつつ、変化する海がSDGの進歩にどんな影響を及ぼすかが議題だった。

海洋会議「私たちの海、私たちの未来:持続可能な開発目標14の実施と提携」の事前会合 Image courtesy of the IISD Reporting Services.

このサイドイベントでは、変化する海やSDGを達成する意義について議論した。また、政策立案者が望むコーベネフィット(共有利益)に基づいて、海洋目標を優先させるために迅速な評価を可能とするツールについても概説した。この評価は、海洋目標が、他の環境的、経済的、社会公平的目標を達成することといかに関連するのか、またどのコーベネフィット(共有利益)が実施戦略に適切なのかを明確にすることに役立つ。また、気候変動が、これらのコーベネフィット(共有利益)に影響を与えること、資源生産と流通に影響を及ぼしている生物および社会的ダイナミクスや、貧困緩和のための漁業管理のような、具体的な政策についても強調した。

Gerald Singh (ブリティッシュコロンビア大学/ネレウスフェロー)が、 SDGイニシアチブの現在の課題と、海洋SDG目標が他の目標とどのように共有利益をはかるかに関する彼の研究を発表するところから始まった。William Cheungは、気候変動下での海洋資源の再分配の可能性について発表し、Yoshitaka Ota(ネレウスプログラムディレクター・政策)は、SDG 14と社会的公正の関係について発表した。続いて行われたパネルディスカッションでは、Marjo Vierros (Coastal Policy and Humanities Research)と Jamison Ervin (国連開発計画)の2人をゲストに迎え、Andres Cisneros-Montemayor(ネレウスプログラムマネージャー/リサーチアソシエイト)がモデレーターを務めた。

このサイドイベントは、フェローを含むネレウスプログラムと、 NGO、政策立案者、他の海洋政策関係者たちの協力により成功を収めた。ネレウスプログラムは、国連海洋会議において、社会的平等そして、気候変動の影響を軽減するための様々な海洋目標の達成とコーベネフィット(共有利益)の実現を概説した報告書を2017年5月31日に提出することを発表した。

SDG海洋報告書概要:

1. 海洋生物多様性、バイオマス、食糧生産に焦点を当てたSDG達成のための海洋生態系の必要性と貢献について
2. SDG 14目標と他のSDG目標間の関連性と、目標達成によるコーベネフィット(共有利益)とトレードオフの総合的評価
3. 気候変動が、 SDG 14目標達成、また効果的な海洋ガバナンスのために我々が行っていることにいかに影響するかの研究と科学的理解
4. SDG14を達成する過程において、海洋からの恩恵を公正に分配する必要性を強調した社会的公正への取り組み

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