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海域をまたぐ魚類および高度回遊性魚類資源の管理:ネレウス、国連公海漁業協定査定にてサイドイベントを開催

魚に国境は関係ない。1982年に制定された国連海洋法条約により、沿岸国は、200海里水域まで伸びるエリア、排他的経済水域(EEZ)内で、漁業を管理する権利を獲得した。しかしながら、無論、魚は海の中に引かれた架空の線に固着することはない。

複数の水域にまたがる魚類および高度回遊性魚類資源の2つのグループの管理は、1982年の会議の後に問題となった。タラ、ヒラメ、タルボット(イシビラメ)のような海域をまたぐ魚資源は、EEZ を超えたり、二つ以上の EEZ や公海を回遊する。高度回遊魚は公海を超えて長距離移動する魚のことで、マグロ、マカジキ、メカジキ、サメがそれにあたる。この種の魚は一つの国のEEZの中に留まらないため、魚を管理する責任を共有する必要がある。1982年会議の協定をさらに前進させ、「複数の水域にまたがる魚種および高度回遊性魚類資源の長期保全と持続可能な利用を確保するため」の国際条約である、国連漁業協定(UNFSA)が1995年に定められた。

この協定が定められてから3回の査定会議が計画され、直近ではニューヨークの国連本部で今週開催されたばかりである。ネレウスプログラムから、Richard Caddell (ユトレヒト大学/ネレウスフェロー)、Andre Boustany (デューク大学/ネレウス同窓生)が5月27日にサイドイベント“Science, Policy and Civil Society: The Role of NGOs in Global Fisheries Management.”を開催する予定である。このセッションでは、現在進行中のネレウスの研究に加え、市民社会が地域漁業管理機関(RFMOs) で自ら関与する方法の研究について発表する。

UN Fish Stocks Agreement JAPANESE-01

Richard Caddellは、国連公海漁業協定(UNFSA)の会議に参加。UNFSAが実施されてから議論されている懸念や海域をまたぎ高度回遊する魚資源が昨今直面している問題についての考えを発表する。

データ管理
「我々は、はっきり言って資源についてよく知らない。そして、我々が得るデータというものは、しばしば機械の中で失ってしまったり、公的に開示されていなかったり、然るべき人々に伝わっていなかったりする。データなしでは、十分に情報を得たり、周到な管理決定を下すことができない。これでは、漁業規制の質が落とす結果を招く。」そうCaddellは話す。

IUU漁業(違法、無報告、無規制)
「規定の遵守は非常に大きい問題である。IUU漁業を規制するために多くの異なる国際文書が存在するにも関わらず、未だに頻繁に行われている。この問題の解決策を見つけてもまだ解決に関して不透明な部分がある。」

漁業助成
「ほとんどの国々が、漁獲能力を減らす必要があることを懸念している。効果的な方法として、特に悪い結果に繋がる助成金を排除することが挙げられる。しかし、助成金は、漁業の研究を押し進めるプラスの影響を持ち合わせる側面もあるので、バランスを取る必要がある。発展途上国の中には、漁業助成金が必要な国もある。なぜなら、そういった国では、助成金なしでは漁業で利益をあげることが困難であったり、または、もし彼らができなければ、よそから来た誰かに資源を搾取されることになるからである。どんな漁業機会がそこに実在するのかを把握し、それに即した漁業能力を戻せるように我々はさらに一致団結する必要があると考える。しかしまだ、助成金は議論の余地がある問題である」

サメ漁
「私たちは、サメについて十分に知らず、十分な保全対策があるわけでもない。既存のものは十分に機能していない。またフカヒレは論争となっている。サメは、ヒレだけでなく全身を水揚げすべきだという法的要件が議論されている。どのようにサメを保全していくかについての意見に相違があるのだが、この特別な分野でのさらなる研究やより良い規制の必要性に多くの人が合意している。」

For further information or interview requests, please contact:
Lindsay Lafreniere
Communications Officer, Nereus Program
Institute for the Oceans and Fisheries
The University of British Columbia
[email protected]

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