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ネレウスブログ

専門家に聞く:COP21と海、漁業、社会(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)

11月20日から12月1日にかけ、195カ国以上から国のトップがパリに集い、地球の未来について議論する。では、海は、議題にあがるのだろうか。

COP(Conference of Parties=締約国会議) 21とは、気候変動枠組み条約第21回締約国会議である。コペンハーゲンで開催されたCOP15以来、最も重要な気候変動に関するイベントだとして謳われてきた。 そのCOP15では、コペンハーゲン合意(失敗だったという見方が大勢をしめる政治協定)が留意された。そこで、太田義孝博士(ネレウスプログラムディレクター/政策担当)とウィリアム・チュン博士(ネレウスプログラムディレクター/科学担当)が、これらの交渉は成功するか否か、世界の海の未来のために何が問題となっているのか、また、気候変動の影響を軽減するために何をすべきかを討議した。

助成金をもらうことは服従を意味するのか?文化助成金と生態学的に持続可能な発展

By Lisa Maria Dellmuth, Senior Nereus Fellow

欧米の民主社会では、公共基準で芸術や文化財を供給するのが一般的である。この慣習により、多くの政治家たちが、芸術や文化を環境保護の基準を押し上げる政治的道具としてみなすようになっている。典型的な例として、芸術や文化に政府が関与していることにより、文化活動を行う際に生態学的に持続可能な開発に関して支持、主張すべきだと暗に要求されているのかどうかについてヨーロッパで現在討論されていることがあげられる。

専門家に聞く:TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は水産物の貿易にどんな影響を与えるのか?

10月5日、世界最大の自由貿易圏となる12カ国によるTPPが大筋合意に至った。日本、カナダ、アメリカ合衆国、ブルネイ、チリ、ニュージーランド、シンガポール、メキシコ、ベトナム、オーストラリア、ベルー、マレーシアの協定国を合わせると、世界経済の40%を占める。TPPは、魚介類への関税が排除されることによって、協定国間でこれまで以上に輸出入される可能性が出てきており、新しい環境基準や労働基準の導入が不可欠である。

ウィルフ・スワーツ博士(ネレウスプログラムマネージャー/リサーチアソシエイト)は、日本でのシーフードサプライチェーン管理や水産業の政策、また水産市場について研究している。ここでは、TPPが漁業や水産貿易にどのような影響を与えるかを考察する。

マダガスカルの先住民漁業ーMARE会議に出席して

漁業と食糧危機の問題に関して、何が問題なのかという問いに簡略な答えがよく見られます。人口増加や資源枯渇そして気候変動はすべてその問題の一部であり、これらが複雑に絡み合うことで、問題は表象することがわかってきました。特に、貧困や環境危機そして巨大資本の課題を考えたとき、問題は食糧危機ではなく、食糧の主権(Food Sovereignty) の問題となります。経済的に、そして政治的に脆弱な立場にいるがため、生産する人たちが 食べたい物を食べることができない、 そんな状況が世界で(そして日本でも)起きていることを私たちは認識すべきかもしれません。アフリカで最も貧しい国の若手研究者が私たちの先住民漁業研究をサポートしてくれています。今回は、彼女がアムステルダムの会議での発表に際して会場での質問等についてブログを書いてくれました。今回は、マダガスカルについて十分に語ってもらっていませんが、今後は、現場のより深刻な現実について私たちに教えてくれると思います。

食糧保全と持続可能性の間で

by Muhammed Oyinlola, Nereus Fellow

私たちは、どこへ行こうが無意識のうちに「私はここにいたのよ」と言いたげになんらかの痕跡を残している。カフェのマグカップに残した指紋、スーパーマーケットでかわす笑顔、仕事場では同僚にアドバイスしてみたり、はたまた他人の問題に首を突っ込み解決しようとしてみたり。(ここでは良い部分に注目しよう。)しかし、私たちは意識的に、また無意識のうちになんらかの問題を作り出している。一つ確かなこと。それは、良くも悪くも我々は確実に自分たちの一部を後に残しているということである。

専門家に聞く:今年のエルニーニョは海と漁業にどのように影響するの か?

ゴジラ。ブルースリー。今年のエルニーニョは史上最大規模の恐れがあるとして、エルニーニョに名付けられる名前がその予想される勢いを形容している。しかし、エルニーニョとは何なのか、海や漁業に何の影響があるのか。

ライアン・リカゼウスキー(南カリフォルニア大学助教授、元ネレウスプログラムフェロー)は、過去や将来の気候変動性や気候変動における生態系の反応と漁業生産についての研究を進めており、過去のエルニーニョの影響についての論文を発表している。ここでは、エルニーニョの基本や、次に来ると予想される。

一般市民に知らされない魚の適正価格:魚が海から減っても、魚の値段が上がらない理由

私たちが魚を買う時に、「お、納得のいく値段だ」と感じる“適正価格”を市場が維持するためには、海からスーパーへとつながるサプライチェーン(流通システム)に見えない事情が隠されているのだ。一般消費者が追跡したり、目にすることができないサプライチェーン全体をふまえた上で値札がつけられているという裏があるのだ。そして、それは持続可能な慣行が存在するような錯覚を与えている。

ネレウスブログ4:野生を感じる事と沿岸開発、メキシコにて

6月末にネレウスプログラムとして「海の未来を予測する」と題したレポートを発表しました。気候変動が漁業に与える影響を科学的な説明からその政策的影響まで網羅したレポートです。少し専門的な解説も入りますが、海洋関係者にはもちろんそうでない方にも、海の未来についての概要と最新の研究(ネレウスによる)をご理解いただけるコンパクトなレポートですので、ご一覧ください。アメリカではCBS、日本でも数紙に取り上げていただき、これまですでに、千件近いダウンロードがありました
(http://archives.nereusprogram.org/ja/nereus-report-predicting-future-oceans-climate-change-oceans-fisheries/)。

ネレウスブログ3 気候変動と漁業について

ネレウス太田です。現在イギリス、ケンブリッジです。明日フランスに向かいパリでの科学会議,Our Common Future under Climate Change”に出席します。山のようなプログラムで気候変動と私たちの未来についての科学が共有されます。このブログで今後レポートします。

ネレウスプログラムレポート: 海の未来を予測する: 気候変動、 海、 魚資源

日本財団(The Nippon Foundation – NF)は、ブリティッシュコロンビア大学(University of British Columbia – UBC)と9年間、15億円規模で共同プログラム「NF-UBC ネレウス–未来の海を考える」をしている。このプログラムは、グローバルスケールで魚の資源と海の未来を予測し、その問題解決に寄与することを目的とした世界で唯一の総合的な海洋プログラム である。