Richard Caddell（ユトレヒト大学/ネレウスフェロー）が執筆した章、 “Uncharted Waters: Strategic Environmental Assessment in the UK Offshore Area”がThe Strategic Environmental Assessment Directiveに掲載された。
この章は、戦略的環境アセスメント (SEA)を視野に入れたEU法律制定の第一回共同調査の一部について書かれている。SEAは、主な開発プロジェクトやインフラプロジェクトに見込まれる影響を査定する一連の環境的評価プロセスを含み、政策決定者が首尾一貫し統一された方法でプロジェクトを追求することの意味を見いだせるようにする。それでもやはり、SEAの法的必要条件は、特に海洋環境においてはこれまであまり調査されてこなかった。
この寄稿は、海洋環境についての計画過程を考慮した英国法と政策を初めて評価したものである。このように、この章では、英国は革新的で先を見越した管理システムを構築してきていることを明らかにしている。また、海洋のSEA 過程で反省的実践の強い文化が、以前のSEAでわかった弱点にいかに対処するかの手法が精錬されていることを考察している。
この過程は、政策決定に至る一連の過程を洗練させることにも役立ち、海の環境管理の向上に貢献している。しかしながら、データ管理に関することや、プロセスに関して数多く提案されたことの実施事項の評価に関する問題が残っている一方で、不十分な説明が積み重なって問題となっていること、特に海洋騒音の悪影響、をこの章では警告している。英国が海洋SEAによる世界での先駆的な過程を提供する一方で、水圧破砕法や炭素固定、漁業管理のような新興産業の法規制（EUのSEA必要条件は領海を超えた漁業には当てはまらない）の統制がとれ、予防的で効果的な取り締まり体制を確保する必要があると述べている。
