持続可能な開発目標(SDGs) の14「海の豊かさを守ろう」に特に焦点を当てた初めての会議である、国連海洋会議が6月5日に始まった。初日は、文化行事と総会、そして海洋汚染に対処するためのパートナーシップの意見交換が行われた。この会議では、SDG14の7つの目標のそれぞれについての話し合いが行われた。また、興味深く有益なサイドイベントがたくさん開催された。
海洋汚染に関する会議では、マイクロプラスチックやプラスチック、そしてそれが水産物を含めた海洋種に及ぼす影響についての重要な討論が行われた。講演の多くは、それらの影響についての議論であったが、意見がほぼ一致していたのは、対処するための行動を起こすべきだということであった。地域規模と国際規模での異なる取り組みに関して、それがどのように世界規模で広がっていく模範例となるかが興味深かった。汚染についての議論はほとんどがプラスティックに関することだった中、農業など陸上からの栄養源排出について考察する必要性について説明した Sybil Seitzinger(ビクトリア大学)の講演は新鮮だった。
サイドイベント“The Regular Process: Strengthening the Science-Policy Interface(通常プロセス:科学と政策の相互作用の強化について)” では、国際海洋アセスメントがどのように発展し、2015年の最初のアセスメントの編集後、2番目のサイクルにおける次の段階は何かについての説明がなされた。技術抄録により、政策立案者の主な傾向に関する重要な情報の統合が証明された。
“Implementing Agenda 2030 – Initiating Global Action on Ghost Gear” は、紛失、および廃棄された漁具ゴーストギアの問題を考察したサイドイベントだった。ゴーストギアは、廃棄された漁網に魚がかかってしまい、海洋種や生態系に悪影響を及ぼす可能性がある。この分野に関しては、ベルギー、スウェーデンのような北部の国々では、面白い取り組みやパートナーシップが、またツバルやトンガのような南部の国々ではコラボレーションや資金援助プロジェクトが行われている。総会議長やツバルの大統領が、このような大陸を超えた支援に関する基調講演を行った。
“Ocean Health, Climate Change and Migration: Understanding the Nexus and Implications for People on the Move(海の健全性、気候変動および移住:移動している人々との関連性と影響についての理解)” のサイドイベントでは、移住者の権利の尊重を強化することを含め、沿岸コミュニティーへの脅威と移動をしている人々への影響など、気候変動の差し迫った問題について考察した。
驚くことに、この会議では、先進国から開発途上国、世界銀行のような非常に大きな政府間機関がとても似通った目標について話している。これらの目標を達成する戦略はまだまだ不明である。しかし、人々が問題を共有し、多くの合意があるのは、未来への良い兆しである。