この投稿はもともと、Phil Underwood(ネレウスフェロー)がMadingleyモデルの新しいウェブサイトに公開した記事である。ネレウスプログラムは、Madingleyと提携している。
Madingley は、グローバル計算モデルである。 Madingleyモデルは、すべての(ほとんどの)生物を広範囲の近似値で表す。機能型表現と呼ばれるものを使用する。生物種を分類する時に、その基準として、選択されたいくつかの”性質”によって振り分けられた広いカテゴリーに分類され、集約される。 この概念的な方法に、論理的な飛躍を感じるかもしれない。すべての生物を分類するという目的のために、ある意味恣意的な選択をその分類基準として定めているのだから。しかし、その疑念への答えは、人間の知識を最大限に生かし、分析コストをいかにバランスよく分配させるかにあるのだ。つまり、私たちの知りうる限りの範囲で、無限な時間と労力をかけずに効率良く膨大な生物種を取り扱うためには選択が必要だという事である。
Madingleyのもう一つの本質的な特徴は、個人もしくはエージェントベースによる生物種の認識である。モデルに表される生物個体は、現在の状態に関するすべての情報や可能性としては全生物の歴史の記録さえも持っている。これらの膨大な情報は、コンピュータメモリのスペースを占有するし、その処理に時間がかかる。数千または数百万の相互作用する生物個体(エージェント)にわたって合計すると、個体ベースのモデルは非常に高価になる可能性がある。このコストに耐えうる計算能力は、ごく最近になってやっと、モデル内の何百万ものエージェントを明示的に表現することが可能になるほど利用しやすくなっている。このため、できるだけ無関係な情報を除外する必要がある。このようにして、個体ベースのモデリングと機能型の表現が連携する。では、このアプローチのメリットは何だろうか?なぜよく確立された方法から分岐するのだろうか?
(続きは英語版にて)Read the full post on the Madingley website.
PHIL UNDERWOOD(理論生態学博士、ケンブリッジ大学/WCMC)
Phil Underwoodは、漁業と食料安全保障に関して政策報告ツールとして法的に使用できるするためにMadingley モデルに携わっている。ネレウスプログラムの一員として、海洋生態系と人間社会の関係性についてより理解を深めるように研究している。この目的達成のために、世界状況で漁業の未来の予測を生み出すためのMadingleyモデルの生態学的リアリズムを改善していく。