Languages

ニュース

気候変動の下で温度を基準として対象を絞った複数種の漁業について

Daniel Dunn(デューク大学/ネレウスフェロー)と Patrick Halpin(デューク大学/研究責任者)による論文“Temperature-based targeting in a multispecies fishery under climate change” が、最近Fisheries Oceanographyに掲載された。この研究では、アメリカ北東部での春と秋の海底の温度が、ツノザメ、シルバーヘイク、ガンギエイのようなニシマダラと互いに影響し合う他種魚と比べ、ニシマダラの分布に影響しているかどうかを考察した。研究した種の38%〜54%が春にはタラと離れるのだが、秋に離れるのはたったの17%であることがわかった。

これらの結果、ターゲットではない魚種を避け、タラの最善の状況を特定するのに役立たせることができる。「二つの明らかな手段が明らかになった。漁師は、離港する前に、地域の海洋モデルによって予測された海底温度を記した地図を手に入れられるだろう、または装置をセットする前に「本来の場所で」海底温度をテストできるだろう。」と著者たちは記述する。

Image: "63: 20 kg Cod" by *saipal, CC BY 2.0.

研究者達は、アメリカ北東の複数種の漁業管理計画内で、海底温度によりニシマダラと他種を引き離すことが出来るかどうかを考察した。 Image: “63: 20 kg Cod” by *saipal, CC BY 2.0.

要約:
温度により、魚の重要な生理的プロセスは制御され、魚が住むべき場所も突き止められる。アメリカ北東の複数種漁業では、選択的な漁獲や時空間データ管理に情報を提供するため、我々は、北東漁業センター(Northeast Fisheries Science Center)の春と秋における科学的底引き網漁の調査からの16年間に及ぶデータを使用し、漁業管理計画内で、ニシマダラ(大西洋マダラ)と他魚種の分布を区分するのに海底温度が利用できるかを判断した。私たちは、春の温度による二つの別の体制を特定した。また、魚種ごとに、温度による生物体量の利用度を算出するために累積分布関数を使用した。私たちは、タラの生物体量と他種それぞれの生物体量の違いを最大にする最適条件となる熱閾値を見つけるために多角的なアプローチを試みた。春の温度では、調査対象とした種の38%〜54%が、一方秋にはわずか17%がタラと離れる事がわかった。この研究では、 主要対象漁と混獲魚を含む漁業管理計画に、タラと数多くの他種を離すために温度基準により対象を絞った漁業を季節的に行うことができるだろうと示唆している。温度を基準として対象を絞ることにより、漁師たちは、他魚種を無駄に捕獲することを回避し、何倍ものはルマをより効率良く達成することが出来る。また私たちの研究結果は、現在の温暖化している状況では、タラと中間温度より高温な場所に生息する種(例:ツノザメ、アブラザメ)との間で、温度の重複がより見られるようになっていることを示唆した。アメリカ北東部での複数種の漁業における選択的な漁業は、温暖化の進む海ではより困難になっていくだろうということを研究結果が示している。

REQUEST ARTICLE

Comments