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パリ協定で掲げた気温上昇1.5度目標を達成すれば、年間600万トンの漁獲が可能となる

パリ協定で掲げた世界の気温上昇を1.5度以内に抑える目標を達成すれば、漁業に大きな利益がもたらされるだろう、という日本財団ネレウスプログラムの研究論文が学術誌Scienceに掲載された。地球温暖化が摂氏1度抑えられるにつれ、潜在漁獲量は年間300万トン以上増える可能性がある。

環境および社会経済的変化に伴うカナダの海や海洋漁業の将来を調査するためのシナリオ

Louise Teh(ブリティッシュコロンビア大学 Fisheries Economics Research Unit/リサーチアソシエイト)、William Cheung(ネレウスディレクター・科学)、Rashid Sumaila(OceanCanadaディレクター/ネレウスリサーチアソシエイト(名誉学位))が執筆した論文 “Scenarios for investigating the future of Canada’s oceans and marine fisheries under environmental and socioeconomic change“が、Regional Environmental Changeに掲載され、カナダでの海洋保全や漁業セクターでの既存のシナリオ分析方法(複数の潜在的な結果に基づいて将来の対応を準備する方法)を見直した。

世界の先住民漁業の重要性:先住民一人当たりの水産消費量は居住国の平均水産消費量の15倍に達する

沿岸に住む先住民の一人当たりの水産消費量が、居住国全体の平均水産消費量の15倍に達するという研究結果が、PLOS ONEに発表された(太田義孝、アンドレス・シスネロス)。これは世界で初めて、先住民漁業をグローバルな規模で定量的に分析した論文であり、日本財団ネレウスプログラムがオリジナルに作成したデータベースをその基盤としている。また、本研究は、漁業政策と社会的人権を一環として捉え、食糧(料)主権と文化アイデンティティが国際海洋政策において重視されるべきであることを提起している。

Colleen Petrikが2016年度のPICES科学委員会最優秀プレゼンテーション賞を受賞

Colleen Petrik(プリンストン大学/ネレウスフェロー)が、11月2日から11日にかけサンディエゴで開催されたPICES年次会議で科学委員会最優秀プレゼンテーション賞を受賞した。彼女は、ネレウスの研究で構築したモデルの結果を使用し、“The response of fisheries production to natural and anthropogenic forcing: past, present and future”というプレナリー・プレゼンテーションを行った。このセッションの詳細は以下。

Green Collegeセミナー:漁業における汚染物質に対する気候変動の影響

「私たちのエネルギー選択によって、他の多くの種類の汚染物質に影響が出る。水力発電:貯水池に洪水が発生すると、実際には神経毒性であるメチル水銀生成を促すパルスが生じ、CO2とメタンについても同じである。」とElsie Sunderland(ハーバード大学環境科学工学科准教授/ネレウスプログラム共同研究者)は話す。

INFORMATION SHEET: 奴隷漁業と日本の水産消費

タイ、ミャンマー、カンボジア、インドネシアの男性達は、タイやその他外国籍の漁船で強制労働を強いられている。彼らの中には、数年もの間船上に留まらされ、賃金はかなり少額で、その上支払いは不定期、休みなく1日18時間から20時間もの労働を強いられている者もいる。また、脅迫され、身体的虐待を受け、長時間労働をするために薬漬けにされ、さらには病気になったり、逃走、反抗しようものなら殺されてしまうという実態が報告されている。(2016年米国務省人身売買報告書より)

海洋漁業の世界地図

Sea Around Usは、過去10年間で、特に漁獲30%が無報告であることを突き止め、世界の漁獲に関するより正確な見解を構築してきた。Daniel Pauly とDirk Zeller率いる、273カ国からの400人の研究者たちによる研究成果が、Global Atlas of Marine Fisheriesと題した520ページの本に編集された。

メキシコは、環境保護の予算削減や生態学的持続可能な人間開発を優先することを再考すべきである

By Andrés M. Cisneros-Montemayor

メキシコで、2017年の予算が発表された。予算の削減幅が大きい上位5項目の中に、環境保護(37%減)、文化(30%減)、教育(11%減)が含まれた。政治的美辞麗句はさておき、これらの削減は、この分野が小規模な長期的問題であり、重要性も迅速性もない問題と捉えられている事を反映している。環境、文化、教育を重要視する国際政策の認識の高まりに矛盾するだけでなく、一連の人間開発目標に互いに関わり合うため、このような考えは問題である。

ビッグデータと漁業管理:人工衛星を利用した漁業活動の追跡

「気候変動によって、海で最も影響を受けるのは、漁業だろう。しかし、地平線の彼方で何が起こっているのかを把握するには限界がある。見えないのだから。しかし、Global Fishing Watchの導入により、どこでどのくらいの漁業が行われているのかを把握することが可能となる。これは、いかに我々の海を管理していくのかという疑問に多くの解決策をもたらすだろう。」と、David Kroodsma(SkyTruth、Global Fishing Watchリサーチプログラムマネージャー)は話す。