水産食品網の栄養機能の世界的変化
漁業、生息環境悪化、汚染、侵入生物種、気候変動といった人為的ストレス要因が海洋種や生態系を破壊し、食物網の構造や機能を変化させる。特に、1950年代に漁業の急速な発展は、捕食者の減少、魚資源の崩壊、海洋生息環境の悪化を引き起こした。
漁業、生息環境悪化、汚染、侵入生物種、気候変動といった人為的ストレス要因が海洋種や生態系を破壊し、食物網の構造や機能を変化させる。特に、1950年代に漁業の急速な発展は、捕食者の減少、魚資源の崩壊、海洋生息環境の悪化を引き起こした。
沿岸水域でのクラゲの目撃情報が、以前と比べ増えている。地域別ケーススタディによると、多くの人が、海水の温暖化によってクラゲ個体群規模が爆発的に増大してきていると推測している。しかし、これを裏付けるデータセットはあまりない。Natasha Henschkeは、ネレウスプログラムでこのトピックに関する研究をした。
ネレウスプログラムフェローRobert Blasiak、Jessica Spijkers、 ネレウス研究責任者Henrik Österblomの共著による新しい論文がPLoS ONEに発表され、147か国の脆弱性指数の分析により、開発途上国や小島嶼開発途上国(SID)が気候変動の漁業への影響に最も脆弱であるということを明らかにした。
健全な海を保つことが、世界の持続可能な開発に様々な形で有効である、という日本財団ネレウスプログラムのレポートが発表された。気候変動と社会的平等に取り組みながら、海洋を修復することで、貧困が緩和され、暮らしが成り立ち、世界中の何百万人もの人々の健康が向上する。
マグロの水産資源が危機的な状況にあるという見出しを目にしたことがあるだろう。“Bleak outlook for sushi favourite as bluefin tuna levels drop 97 per cent(クロマグロの水準が97%低下し、寿司好きにとっては暗い見通し)” という記事がTelegraphに掲載された。CBS Newsでは、 “Sushi eaters pushing Pacific bluefin tuna to brink of extinction(寿司を食す人々が太平洋クロマグロを絶滅の危機に追い込む)”と報じた。
燃料使用が気候変動に加担しているということは周知の事実だが、気候変動によって漁業における燃料使用量が増加する悪循環も考えられる。海洋温暖化のため、魚の分布が移動しているからである。この燃料使用量の増加と価格上昇により、小規模の零細漁業者は、気候変動下で生活を維持し、家族を養うのが厳しくなるだろう。
海水に広範囲に根を広げ生育するマングローブは、人間および海洋生態系に多くの「サービス」を提供している。マングローブ林は、炭素を保存し、大気から炭素を引き出し、沿岸域の侵食を防ぐ。また、マングローブ林は、多くの重要な漁業に含まれる海洋種の重要な食糧源、隠れ場となっており、世界の熱帯地域と温帯地域の150,000km²の海岸線を覆っている。Rachel Seary(Cambridge/UNEP-WCMC/ネレウスフェロー)は、マングローブによる地域社会とその周辺の漁業への直接的利益、また沿岸漁業生産性への間接的利益の両方を理解するための調査を、インドネシア、バリにおいて現在実施している。
気候変動が海洋に及ぼす影響のリストを考えたとき、海面上昇、海水温上昇、海洋酸性化がまず最初に挙げられる。William Cheung (ネレウスプログラムディレクター・科学)と Rashid Sumaila (OceanCanadaディレクター/ネレウスリサーチアソシエイト(名誉学位))は、海の中で重要ではあるが、ある意味意外な気候変動関連のストレス、海洋汚染物質を探求したレビュー論文を共著し、Global Change Biology に掲載された。
2月15日と16日、国連総会は6月に開催される国連海洋会議のための事前会合をニューヨークで開催した。この会議の目的は、持続可能な開発目標(以下SDG)14:持続可能な開発のために海洋、海洋資源の保全と持続可能な利用、の実施を支援することである。
西アフリカは、気候変動に最も脆弱な地域となる可能性がある。この地域では、生計をたてたり、重要な食糧源を確保するために漁業に依存するところが大きい。現在、西アフリカの海洋資源は、乱獲や気候変動(気候変動に起因する海の温暖化により、その海域の魚資源がより冷たい海へ移動する)に脅かされている。ネレウスプログラムの研究によると、二酸化炭素排出量が現在のレベルで推移する場合、この地域では漁業関連の雇用は50%減少し、年間総損失は3億1,100万ドルになると見込まれている。