2016年12月7日、 Richard Caddell(ユトレヒト大学/ネレウスシニアリサーチアソシエイト)、Alex Oude Elferiink (研究責任者)、Erik Molenaar(研究責任者)は、ユトレヒト大学で開催されたSymposium on the South China Sea Arbitration (南シナ海仲裁裁判についてのシンポジウム)に出席した。
背景
海洋法は、国家主権、資源配分、そしてグローバル漁業管理に関わる重要な国際法である。最近では、フィリピンが、南シナ海における中国とフィリピンの領有権主張を裁定するために、国連海洋法条約(UNCLOS)を採用した。フィリピンは、2013年に、中国がフィリピン領土内のサンゴ礁の支配権を握り、漁業や船舶を妨害し、また海洋環境を危険にさらしていることは、国連海洋法条約に反すると告発した。そして、ハーグ仲裁裁判所は、2016年7月12日に、フィリピンが中国に対して提起した請求を支持する仲裁裁定を発表した。この問題の詳細な分析の記事はこちら。
シンポジウムのセッションと発表
Alex Oude Elferiinkが、開会の辞を述べ、この問題の裁判所の管理に関する背景について話した。また、シンポジウムの主な2つのセッションについても紹介した。Erik Molenaarが最初のセッションの司会をし、中国が裁判に出席しなかったこと、またUNCLOS121(3)の裁判所の解釈について討論した。
Richard Caddell (上記写真)は、漁業管理に関する南シナ海の紛争の影響について発表を行った。彼は、この地域で小規模漁をするフィリピン人漁師のことや、中国側の活動による環境的影響を含め、漁業に関連する重要な問題を確認した。仲裁裁定では、例えば伝統的な漁業権の明確化など、漁業に関する興味深い法的決定が示された、と締めくくられた。しかし、政治動向は依然不透明である。 Richardのプレゼンテーションはこちらへ。