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レベッカ・アッシュのカリフォルニア海流での魚の季節性に関する論文 がPNAS( 米国科学アカデミー紀要) に掲載

レベッカ・アッシュ博士(プリンストン大学/ネレウスプログラムシニアリサーチフェロー)の論文、Climate change and decadal shifts in the phenology of larval fishes in the California Current ecosystem” が Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America ( 米国科学アカデミー紀要 ) に掲載された。(ダウンロード PDF).

要旨:
気候変動によって様々な生態系に春が早くもたらされる傾向にある。この変化のために、東岸境界湧昇生態系が引き起こされているのかは不確かではあるが、これらの地域は十数年周期の気候変動の影響下にある。そして、地域気候モデルにより、湧昇に季節の遅れが生じることが予測されている。この問題を探るために、南カリフォルニアでは1951年から2008年にかけ、43種類の稚魚の生物季節が調査された。魚類群集の座標によると、現在に近づくにつれ、生物季節の進行が早まる傾向にあることが示された。39%の多くの稚魚に季節的ピーク(稚魚の成長生態に最も適した季節変化)が通常より早い時期に起こり、それに反して18%の稚魚に時期的な遅れが見られた。生物季節が早まった種は、沖合の外洋魚に見られ、それに対し、生物季節が遅くなった種は、沿岸海底付近に生息域が見られる傾向が強かった。生物季節の変化は、PDOやNPGOのような十年周期の季節変化からよりも、むしろ海面温度の上昇が早まりつつある傾向からの影響が大きい。生物季節が早まった種と遅れた種には、El Niño Southern Oscillation(エルニーニョ南方振動)の反応に示されるような、経年的な気候変化に似た傾向があった。生物季節の進行する将来の予測は、現在の動向と変わらないだろう。生物季節に遅れのあった種の成り行きについては、 政府間パネルが上昇流傾向を研究した気候変動モデル間で違いが見られるためあまり明確でない。

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