ダニエル・ダン博士(デューク大学Marine Geospatial Ecology Labのネレウスシニアリサーチフェロー)の論文 “Spatiotemporal patterns of rockfish bycatch in US west coast groundfish fisheries: opportunities for reducing incidental catch of depleted species” (PDF) がCanadian Journal of Fisheries and Aquatic Sciencesに掲載された。
要約:
対象外の魚の捕獲を減らすために用いる時空間的管理計測法は、北東太平洋で乱獲されたロックフィッシュ(メバルやカサゴ)の個体数を回復させるための重要な戦略ともなる。2002−2010年の漁獲データにおいてMove-on rulesの有効性をテストし、その結果がカリフォルニア中部で底引き網によって混獲されるロックフィッシュを減らすために有用であることを示している。Moveon rulesとは、混獲によって生態系に影響がでるであろう限界値に 達したと き、 対象地域の漁場を一時的に閉鎖するよう促す規則またはガイドラインである。時空間的自己相関(クラスター法)に基づくMove-on rulesによって、対象とする魚の漁獲に関して多少の影響はあるものの、混獲を減らすのに効率的であった。具体的には、対象とする魚種の漁獲平均が12%減りはするが、混獲が含まれる漁獲量を生み出した特定の距離や時間の範囲内で、将来の混獲漁獲量は33%〜77%に押さえることができるということが示された。 時空間ピークのクラスタリングスケール は、それぞれの種類の魚が群れをなす行動レベルに相関性を見せた。しかしながら、混獲量の減少またはこれまでの対象魚種の漁獲量の変化によって測定されるこの規則(Move-on rules)の効果は、成群行動に強く反映されていない。私たちは、規模と効果の両面において、さらに精錬された反応を継続的に発展させ、分析した。そして、この中から得た情報をカリフォルニアリスクプールに所属するような漁師たちのために提供しているのだ。