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気候変動と海洋漁業:世界の脆弱性指数トップの開発途上国

ネレウスプログラムフェローRobert BlasiakJessica Spijkers、 ネレウス研究責任者Henrik Österblomの共著による新しい論文がPLoS ONEに発表され、147か国の脆弱性指数の分析により、開発途上国や小島嶼開発途上国(SID)が気候変動の漁業への影響に最も脆弱であるということを明らかにした。

この研究では、一人あたりの排出量と脆弱性が負の相関関係であることを明らかにした。その上で海洋管理の観点で様々な開発レベルの状態において、不平等を減らし人間の幸福を増幅させ、持続可能な開発を確かにするための緊急性が高まっていることを示している。この問題に対処するために、私たちはリスクの高い国々への海洋技術の移転を有効にするために、気候変動資金を効果的に配分することで、脆弱な国々の適応能力を高める役割を果たさねばならない。

気候変動問題にほとんど貢献していない開発途上国の国々は、気候変動の漁業への影響の結果として生計の機会の減少、新たに発生する食物栄養欠乏などの問題を抱えるだろう。 Image: “Woman Collecting Fish at Sunset” by United Nations Photo.

要約
今後の気候変動の海洋漁業への影響は、食糧安全、生計を含む幅広い社会経済要因に悪影響を与え、開発軌道の再構成や国境を越えた紛争を引き起こす可能性がある。これらの影響に対する世界の国々の脆弱性にはかなりの変動がある。私たちは、気候変動の海洋漁業への影響に関連する最新のデータを使用し、147か国の脆弱性指数を算出する。脆弱性のための気候変動フレームワークに関する政府間パネルを構築するため、私たちはまず12の主要変数を用いて、リスクに晒される度合い、感度、適応能力についての総計指数を構築する。結果として、指標で最も脆弱な10か国のうち7か国が小島嶼開発途上国であり、指標の上位4分の1にはアフリカ(17か国)、アジア(7か国)、北アメリカ及びカリブ海(4か国)、オセアニア(8か国)の国々が含まれていた。開発途上国の87%以上が脆弱性指数の上位半分以内となり、下位半分には全開発途上国および経済協力開発機構(OECD)加盟国の一か国が含まれた。

リスク指標や感度指標からはそのような傾向が明らかにはならないので、これは主に国の適応能力が大きく左右している。脆弱性と1人当たりの炭素排出量には負の相関があり、脆弱性指数の様々なレベルでの開発段階でのクラスタリングの状態は、不平等を減らし、人間の幸福を促進し、持続可能な都市と地域社会の確保に対する世界的な取り組みに対応する障壁を増大させることを示唆している。この指標は、気候変動資金の配分を優先させるための有用なツール、キャパシティビルディングと海洋技術の移転を目的とした活動を可能にする。

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