海面下200~100mにある中深層に関しては、あまり理解されていない。温暖化、脱酸素化、酸性 化、商業漁業、海底採掘のようなグローバルな問題に中深層は脆弱である可能性があるので、ここの 理解が限られていることがますます問題となってくるだろう
Nereus Program Principal Investigators Daniel Dunn( デューク大学/ネレウスプログラム研究責任 者)、 Patrick Halpin( デューク大学/ネレウスプログラム研究責任者)、 Gabriel Reygondeau (ブリ ティッシュコロンビア大学/ネレウスフェロー)が共著した新しい論文が Deep Sea Research Part I: Oceanographic Research Papers に掲載され、論文の中で、海洋内部が生物多様性と機能の点におい て異なる地域尺度を反映する中深層のグローバル生物地理分類を示している。現在の知識、および入 手できる深遠洋生態系についての生物的および非生物的データセットに基づいている。
この論文に発表されている分類は、将来データ/分析が使用できる「知識の現状」フレームワークと して機能している。
(1)時空間情報が蓄積することで境界位置とダイナミクスを改善する
(2)遠洋境界の根底にあるメカニズムの理解を深めるためにこれらのダイナミクスを調査する
(3)どの深遠洋が生物多様性と機能の点から異なるのかについて地域規模にガイドを提供する
加えて、ここで提案されたこの地域は、生物地理学のフレームワークのため、そして深遠洋生態系における潜在的な人為的影響を定量化するための将来の研究の基礎として使用できる。
最終的に、この論文の中で発表する分類が、深遠洋海資源の保全のための政策計画と管理に有用で時 宜な役割を持つと証明する。特にこの研究では、動物のコミュニティは組成が非常に似ていると予想 される空間的規模を知る上での手がかりとなり、生態系に基づいた管理(EBM)アプローチ、海洋空 間計画、代表的な保護区のネットワークの分布と間隔の適用を伝えることが出来る。
要旨:
私たちは、生物多様性と機能において海洋内部が異なる地域尺度を反映する中深層のグローバルな生 物地理分類を開発した。情報と様々なサンプリング方法の世界的規模の相違は、厳密に統計的手法を 除外するので、統合されたアプローチが必要である。海洋学、地理空間マッピング、深海生物学での 専門知識を組み合わせたパネルは、環境の proxies(温度、塩分濃度、中深海の溶解酸素)に関係す る深海動物相の分布パターンについての専門家の意見を照合するために招集された。追加の生物学的 データと物理的データを統合する反復デルファイ法は、生物地理的エコリージョン分類し、エコリー ジョン境界または領域間の勾配の位置を特定するために使用された。33のグローバル中深海エコリー ジョンを明らかにした。これらのうち20が大洋で、13が遠浅の海だった。それぞれが複雑な支配因 子である一方で、それぞれ生態地域の推定の第一ドライバが特定された。包括的で確固たる中深海の 生物地理学(時間的変動を反映する)を生み出す研究はこれからだが、この研究で示された分類は、 深海沿岸海洋資源の保全のための政策計画と管理に有用でタイムリーな情報となることがわかるだろ う。特に、動物界で空間規模の指標が組成で似ていると考えられる。それゆえ、生態系に基づく管理 アプローチ、海洋空間計画、代表的な保護区域のネットワークの分布と間隔の適用の情報を提供でき る。